オリーブオイル屋 ブオーノイタリア
HOMESITEMAPお問い合わせ
ウンブリア便り 森の書斎から ショッピング くちこみレシピ 店舗案内
ウンブリア便り 〜 Kyoko's Diary
HOME > ウンブリア便り > カラス麦のトルタ
Kyoko's Diary
 
カラス麦のトルタ
2008年3月24日(月) 

しっかり焼いたトルタ
しっかり焼いたトルタ
 今年も復活祭の日がきた。あいにくの雨で気温も低い。我が家は毎年ローマから親戚がくるのだが、今年も渋滞をさけるため、例によって前日に遊びに来た。どうも私は何年イタリアに暮らしても、復活祭の日にお祝いの気分にならない。頭ではキリストが復活した日でカトリック教徒にとってはクリスマス以上に大切な日だとわかっているのだが、宗教上の問題ではなく、たんに習慣の問題かもしれない。クリスマスならもうちょっとお祭りの雰囲気も掴めるのだが。毎年復活祭には近所の友人が挨拶に寄るので、昼ご飯のあとケーキを焼くことにした。

 イタリアに暮らし始めて何年かは、イタリアのケーキはなんておいしくないんだろうと思っていた。しかしここ何年かはそうでもないと思っている。たしかに、イタリアでフランス都会風のきれいに飾りたてた小さなケーキを買うとおいしくないことが多い。一番がっかりしたのはモンブランで、妙に大きくて一瞬喜んだのだが、フォークを入れた瞬間、ガシッと固い。なんだろうと思ってほじくって見ると、なんと中はかっちり焼いた大きなメレンゲだけだった。ウッソー、モンブランって、口の中で濃厚な栗のクリームが柔らかいスポンジと一緒に溶けるケーキじゃなかったっけ。このモンブランは栗のクリームとメレンゲが口の中でザリザリ。そういえばイタリアに修業にくる外国人パティシエなんて、あんまり聞かないな。

さらに、昔は甘過ぎない日本のケーキは世界一おいしいと思っていたのだが、イタリアの家庭でつくる菓子を食べていると、日本人が盛んにありがたがる美しい西洋のケーキは脂っぽくて他の味がしないと思うようになった。

 イタリアの郷土菓子はパンペパートもしかり、大量の卵や生クリームで材料の味をのばしていない。レシピはどれも比較的簡単で、ナッツ類や果物、ピールや干しぶどうをたっぷり使って焼くレシピが多い。今の時代、これらの材料は卵や生クリームに比べて値段もずっと高いし、膨らませて量を多くみせないため、イチゴのショートケーキを見た時のような華やかさがない。しかし味は脂肪だらけで薄まっていないため、しっかりして実においしい。

前置きが長くなったが、今日作ったケーキは、カラス麦と半粒粉の小麦、干しぶどう、オレンジピール、クルミ、松の実、シナモンとクローブが入ったケーキだ。カラス麦は事前に沸騰したお湯に入れて15分ほどふやかしておく。80gのバターを混ぜてクリーム状にし、100gの砂糖も入れてよく混ぜる。そこに全卵1個を入れてまぜ、あらかじめぬるま湯で柔らかくした干しぶどう150g、松の実と砕いたクルミを150g、オレンジピール100g、シナモンとすり潰した2本のクローブを混ぜてケーキの型に流し入れ、
190度のオーブンで50分ほど焼く。生地に赤ワインを少々入れると深みがでる。ナッツの香ばしい香りと、干しぶどう香りで焼いている時からいい気分だ。乾燥果物の自然な甘みやナッツの味は他に変え難いおいしさだ。そして小麦粉だとあまり感じないが、カラス麦や半粒粉の小麦の味も良い。

雨の中友人が着いたので、これから熱いエスプレッソを入れ、暖炉の前でおやつにしよう。

今日子







   

PAGE TOP
HOMEウンブリア便り森の書斎からショッピング店舗案内SITEMAPお問い合わせ
Copyright (C) 2004 Buon'Italia Co., Ltd. All Rights Reserved.