イタリアというと、ごはんがおいしいとかプラスのイメージの他に、物事がスムーズに行かない国とか、きちんと働かない人々などのイメージがある。日本人がイタリアに来ると様々な変なことにびっくりしたり、日本ではこんなことはありえない、と笑ったり自分の国を誇りに思ったり。

私も他の日本人に漏れずイタリアでいろいろ変な目にあっている。生活全般にも、仕事にも。
でも意外と、ささいなことだがイタリアのおかしなことに助けられることも多い。例えば、イタリアでは電車がよく遅れる。５分や１０分は当たり前で、これまでは遅れても当然という雰囲気だったし、客もあきらめて辛抱強く乗っていた。文句は言うが、改善されることはないと期待しない。最近は「遅れて申し訳ございません」と車内放送がでるようになったので、突然礼儀正しくされて驚いてしまったりする。こんな調子の電車だが、電車の時間に絶対間に合わないと大慌てで駅に着いた時に、５分遅れていると聞いて結局電車に乗れることもよくあって助かるのだ。私のようにしょっちゅう時間に遅れるような人間にはありがたいことだ。

イタリアのポケットティッシュは日本のティッシュに比べるとかなり固い。やわらかくてフワッとした日本のティッシュに慣れていると「なにこれ、妙に分厚くて鼻が赤むけになるんじゃない」と思う。やっぱり日本の技術はすばらしいなあ、などとイタリアを馬鹿にしていたのだが、日本に帰国した時に母が洗濯機を開けて悲鳴をあげたことがあった。ズボンのポケットにティッシュを入れっぱなしにしていたので、ティッシュが細かく破れて洗濯物にまんべんなくついていたのだ。ほんとに見事なほど細かくなっている。日本で暮らしていた時に時々入れっぱなしで洗ってしまい、もう二度と忘れないように気をつけようと固く心に誓ってティッシュを取り除いたのをハッと思い出した。イタリアの固いティッシュは洗濯機に入れて洗っても丸く１つに固まるだけで、あんなに細かくチリヂリになったりしないもんなあ。だから二度とポケットにティッシュを入れっぱなしにしないよう気をつけようなどとはちらりとも思わないようになっていた自分にも驚いた。

こんな感じで、自分が失敗した時など、都合良くイタリアっていいなあと思えてしまう。普段仕事で上手くいかないことがあると、イタリアめ〜！！とブリブリ怒っている。だが時々テレビで日本対イタリアのサッカーやバレーボールを見ていると、イタリアがあれよあれよと言う間に勝ってしまうので、顔には出さないようにしているがシルヴィオ、もしかして日頃の鬱憤をはらしている？と聞きたくなることもある（笑）。　

今日子

〜お知らせ〜
こちらはオリーブの収穫の真っ最中です。今年のオリーブは収穫量が多く質も上々です。搾油所に行ったらマッシモさんがオイルと共に気力を振り絞って働いていました。ほとんど寝ていないようです。搾油所は相変わらずすばらしいオリーブオイルの香りで、今年ももうすぐブオーノイタリアに到着するので楽しみにしていて下さい。