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Kyoko's Diary
 
エルバ島で
2006年10月13日(金) 

水が透き通っている
水が透き通っている
先日、用事があってトスカーナ州ピオンビーノから船に揺られること
1時間半、エルバ島に行ってきた。エルバ島は昔ナポレオンが流刑に
なった土地で、その時住んでいた家も残っている。ナポレオンはこの
美しい島で悠々自適に暮らすことができたのに、決死の覚悟でフランスに
舞い戻り、皇帝の座に返り咲いた。2回目は絶対に逃げ出さない
ようにと、遥か遠くのサンタエレナ島に流刑になり、そこで生産を終える。
一番近い島でさえ1900キロもある孤島(アフリカに近い)で、エルバ島に
比べると人の手の入っていない自然の厳しい野生の島だったそうだ。

対照的なのはイタリア統一の指導者ガリバルディで、彼は流刑された
サルデニア島で一生楽しく人生を謳歌したそうだ。毎年愛人を何人も
総入れ替えして、あげくの果てには愛人のスリーサイズまで指定して
いたのだというから笑ってしまう。(以上シルヴィオ談)

仕事柄、別の土地に行くと必ずオリーブオイルを試してみることに
している。さっそくお店の店員さんにお勧めのオリーブオイルを
聞いて購入した。500mlで、14ユーロ90セント(約2300円か)。
何本かある中で一番高い。瓶もワインのハーフボトルを使い、ワインと
まったく同じようにコルクの栓がしてあり、とても高級そうに見える。
地元で買ってこれだけの値段ならそれなりのものかと期待する。

家に帰って栓抜きでコルクを抜き、スプーンに入れて味見してみた。
・・・・・(3秒の沈黙)・・・ウワー、ま、まずい!!!
飲み込むことも出来ず、うがいする(汚くてすみません)。
がっかりするやら驚くやら。頭がキーンと痛くなり、胸焼けが
した。”オリーブオイルは臭くて嫌い”という、典型的な
臭いオリーブオイルだ。これでは炒め物にも使いたくない。

ラベルにはエキストラヴァージンオリーブオイル、”トスカーノ”と
トスカーナ産を強調して太文字で書いてある。
我が家のオリーブオイルを使い始めてもう何年にもなるが、
最初に食べた時の感動を思い出した。パンにドバドバかけて
旨い旨いと飲むように食べた。
以前、これもトスカーナ産の、農家から頂いたオリーブオイルを
飲んだことがあった。シルヴィオが「ペーッペッペ!、ガソリンが
入ってるんじゃないの!?」と吐き出したことも思い出した。

トスカーナ産がおいしくないと言っているわけではないけれど、
トスカーナという言葉を武器にして売っている所は多い。

今回のオリーブオイルはラベルの裏に、”昔ながらの方法で絞ってある”と
書いてあるが、どこにも「SPREMUTO A FREDDO」(コールドプレス
方式)とは表示していない。こういうのって「Imbottigliato in Italia」
(イタリアで瓶詰めした)という表示と同じで、イタリア産のオリーブ
オイルではないことを誤摩化している表示と同じだ。コールドプレス方式の
場合はきちんとそう表示してあるもの。

オリーブオイル選びはなかなか難しい。値段が高ければおいしい
とは言えない。特に、アメリカ人や北ヨーロッパの観光客が多い
地域のオイルは、観光客用に値段も高いし、味は、客を馬鹿に
しているとしか思えない物が多い。よく観光客用の店には、
色とりどりのパスタと一緒に香草入りやレモンの皮入りなどの
オリーブオイルが置いてある。
ああいうのも、別にまずくはないのだが普通に生活していたら、
あえて購入しようとは思わない物だ。だって、香草なんてその場で
入れれば新鮮なとてもよい香りが楽しめる。
ローズマリーやタイム、月桂樹など、乾燥の物でさえ、パッパと
入れると十分実力を発揮してくれる。それよりも、実際のオリーブ
オイルの味が良いことの方が大事だ。

ラベルをよく読んだり、産地のことを調べたり、値段を見たり、
でもやっぱりオリーブオイルは味見してみなければ分からない。
味見をたくさんしているうちに、どれが良いかだんだんわかって
くるものである。そして酸度が低いから、健康に良いからオリーブ
オイルを食べるというのは2の次で、やっぱり味で勝負だ。
誰も「あ〜、酸度が低い!」
と思いながら食べているわけではないもの。
簡単にわかるハウツーの解説でないのが残念だが、
好みの問題は別にして、舌の訓練と思うことにしている。

今日子




   

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