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ウンブリア便り 〜 Kyoko's Diary
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Kyoko's Diary
 
日本食パーティ
2006年7月19日(水) 

 夏まっさかりのウンブリア。昼間は日射しが強くオーブンの中のようだが、夜は涼しくて長袖でちょうど良いくらいで気持ちが良い。やはり田舎に引っ越してよかったとローマの夏を振り返る。昔住んでいたローマの家は、500年前の建物で、景観を壊すからとクーラーを取り付けられないことになっていた。だが年々暑さが増すため、ついにこの家もクーラーを付けたと前の大家さんに聞いた。今日の新聞には、「もはや田舎での生活の方がずっと人間らしく楽しい暮らしができる」と書いてあった。たしかに、いろんな人がいるけれど私の場合は正解だったと思う。

 さて、今日は去年の秋から息子と始めた柔道の仲間たち(皆イタリア人)を呼んで我が家で日本食パーティを開いた。マエストロに、「日本で食べたすき焼きの味がどうしても忘れられないので、なんとか作ってもらえないだろうか」と頼まれたのだ。迷ったが作ることにした。なぜ迷ったかと言うと、すき焼きに使う牛肉がどうしても日本の霜降り肉と違うため、思うように出来たためしがないからだ。イタリアの牛肉は、なぜか焼くと水分が異様にたくさん出る。肉汁というより水分で、フライパンに溢れ出た水分を飛ばすためによく焼くと、肉がパサパサになってしまう。すき焼きの場合も煮ているうちにどんどん水分がでて割り下が薄まり、肉は固くなっておいしくない。

 この牛肉の水分について文句を言う人は結構多い。何年か前には牛にホルモン剤を大量に使って捕まった業者が大勢いたし、水分はそのせいだと指摘する人もいる。私が農家から直接買い付ける牛肉は、たしかにスーパーの肉より水分の出が少ない。しかしこの日は15人もいたのでスーパーの肉を使うことにした。ここでできる和食などたかが知れている。イタリアの米を使った巻き寿司(スモークサーモン入り)とすき焼き、あとはもし和食が口に合わない人がいた時のために、ズッキーニのグリルやオイル漬けサルシッチャ、サラダやパンも用意しておく。イタリア人はパンなしで肉を食べることができない人が多い。
デザートには庭で採れたアプリコットの種を割り、中の杏仁を使って杏仁豆腐を作る。もちろん実はジャムにして杏仁豆腐の上にかけて食べる。今日一番おいしかったのは、これかもしれない。杏仁の香りが最高だった。

幸い、皆全部喜んで食べてくれた(やはりすき焼きはあまりおいしいとは言えなかったので残念)。マエストロ以外は和食経験者がいなかったので、海苔やしょう油も初めてだったが、皆気に入ってくれたようだ。

 このマエストロ、イタリアで初めて柔道を教えた柔道家大谷さんという方の弟子だったそう。大谷さんはイタリアの軍隊や警察で柔道を教えていたそうで、その元奥さまはローマでとてもおいしい豆腐を作っていた。今は日本に帰られたそうで、イタリア人の男性が豆腐業を継いでいるのだ。ローマに住んでいる時はよくこの豆腐を重宝したものだ。田舎の柔道場でその大谷さんの名前のついた帯をしているマエストロがいて、まさかこんなところで大谷さんの名を耳にするとは意外だった。(マエストロはローマの郊外から教えに来ている)

 皆が帰ったのは午前1時近かった。疲れてばったり寝てしまう。しかし皆楽しんでくれてよかったよかった。

             今日子          

 





   

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