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Kyoko's Diary
 
パイ生地
2006年6月7日(水) 

パイ生地を作る
パイ生地を作る
 前回に続き、オリーブオイルの良さがわかる例を一つ。
 
近所に住む、アルバニア人主婦のメリータは、15年前に移民でイタリアに渡り、イタリア人の男性と結婚してここで暮らす。2人の娘は私の息子と大の仲良しである。このご主人というのがそれはそれは保守的(よい意味で)な食生活を送っている方で、メリータも彼の影響でとてもよい料理を作る。

 彼女に習ったアルバニアの料理で、今では我が家の定番メニューになったのが、アルバニア風パイである。このパイ生地は小麦粉、水、塩を練った生地とオリーブオイル、片栗粉を使って作る。オイルを使ったパイ生地というのはトルコやアラブの方ではお菓子などでもよくあるのだが、そこをオリーブオイルで作るのがメリータ式だ。

 一般に日本で知られるパイ生地を作ったことのある人はご存知だと思うが、あまりのバターの多さに、「これは考えないことにしよう」と目をつむる。小麦粉の量に対してバターの多さは約2倍と言ったところか。そして温度管理も大切で、生地が温まるとパイがサクッとしない。でもまあ、なによりもその脂っぽさに胃がもたれ、私としてはカロリーも気になる。

 生地の作り方は、強力粉400gに対して水250c~300ccとかなり多めで柔らかい生地を作る。そこに塩を一つまみ入れて5分程練る。30分ほど休ませたら生地を2等分し、1つをパイの下用、もう1つを上にかぶせる蓋用に使う。分けた1つを5等分し、一つ一つ丸める。丸めた生地に片栗粉をまぶし、5つをCDのディスクの大きさに伸ばす。次に、ディスク4枚の一枚一枚にオリーブオイルを小さじ一杯ずつたらし、指でまんべんなくなじませ、これを重ねていく。オイルを塗っていない1枚は一番上に重ねる。重ねた生地のまわりを指で閉じてオイルがはみ出さないようにし、それをめん棒で伸ばしていく。伸ばす時にめん棒で押しつぶすと後で層がつぶれて開かないため、手で生地をやさしく伸ばしながらめん棒に巻き付け、それを転がしながら伸ばしていく。最後は1,5ミリくらいの薄さになる。ベテランのアルバニア人女性はピザ職人のようにめん棒なしで手で伸ばせるそうだ。

 2等分したもう一つの生地も同様に伸ばし、中に詰める具はほうれん草のソテーとチーズ、ナスとチーズ、ミートソースなどお好みで入れ、230度のオーブンで約20分焼く。具の野菜はいずれも柔らかく火を通しておくのがコツだ。ピザを焼く台には生地がくっつかないようオリーブオイルを塗り、上にした生地の上にも最後にオリーブオイルをまわしかけるのを忘れないように。

 アルバニア料理なんて日本ではそんなに馴染みがないと思うが、オリーブオイルを使った簡単なパイ生地はイタリアでも受け入れやすく、様々なバリエーションを楽しめる。生地を休ませる時間を入れても1時間もあれば出来上がりなのだ。出来上がりはサックリ軽くてとてもおいしい。
 
 メリータが子供の頃、社会主義国だったアルバニアでは近所のパン屋さんのオーブンを借りて、主婦がそれぞれのパイを焼きに並んだそうだ。
 
*このレシピは私の絵入りのレシピとしてお店でお配りしています。
 絵が入るともっとわかりやすいです。    
          
                     今日子 
 


   

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