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ウンブリア便り 〜 Kyoko's Diary
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Kyoko's Diary
 
ヨアンナの料理
2006年5月5日(金) 

ニョッケティ サルディ
ニョッケティ サルディ
〜お知らせ〜
 先週1週間、ローカルジャンクション21という「土に根ざした農的暮らしの豊かさ」を提唱する団体のホームページの、「今週の私」という欄に日記を書かせて頂きました。この団体は農文教出版の甲斐さんが理事を務める団体です。今度農文教出版の季刊誌「うかたま」の夏号にも私の生活の記事が載ります。www.28.cds.ne.jp/~localj/ (ローカルジャンクション21)
www.doblog.com/weblog/10616 (今週の私)

ぜひ読んでみて下さい。

 さて、前回お話したヨアンナがサルデーニャ料理を作るというので、手伝いに行った。ヨアンナの料理好きは度を超していると知人の間では有名らしく、行ってみてなるほどと思った。朝9時に約束していたので行ってみたら、なんとヨアンナは朝5時半から準備していたそう。それでいろんな話をしながら料理を作っていったのだけれど、心配していた通り、子羊の肉がでてきた。しかしヨアンナとあまりにも料理の話で盛り上がっていたため、羊嫌いを話す機会を逃してしまい内心ドキドキしていた。デザートも羊のリコッタチーズを使ったお菓子だし、これはヤバイことになったと思っていた。子羊の肉はサルデーニャでよく使う香草がないということで、腿肉と肩肉をオーブンでこんがり焼くシンプルなものだった。

 午後2時半、ようやく食事の準備ができた。ヨアンナは料理を始めると時間も気にしなくなるらしく、皆腹ぺこだった。パナーテという肉と野菜を詰めたパイを前菜に、パスタは牛肉の入ったトマトソースのパスタ、そして、ついに、子羊の肉がでてきた。もうどうしようかと思ったのだが、同じ料理に情熱を注ぐもの同士、ここでみっともない真似をするわけにはいかん。
 中学生の時食べたジンギスカン以来、かたくなに断り続けた羊の肉を食べたのである。(肉は私が近所で買う農家の子羊と同じ子羊だ)感想は、まず、とにかく肉が柔らかくて驚いた。匂いは、あるけれど臭くはない。しかしやはり食べたというショックはあったので、ワインをたくさん飲みながら冷静に、冷静に、と自分に言い聞かせた。そしてこれからはきっと、大事な席では食べられるかもしれないと気持ちを新たにした。
 デザートの羊のリコッタチーズには、レモンの皮とサフランが入っていて、匂いがちっとも気にならなかった。羊の濃厚な味だけ残り、強烈な匂いはサフランの香りと混ざってとてもおいしかった。

 イタリア料理が地方によってずいぶん異なるのはよく知られているが、ウンブリアの料理はナポリやエミリアロマーナ州に比べて素朴でシンプルだなと思う。ナポリやフィレンツェなど王族や貴族がいた地方の料理は贅沢だし、派手である(農民の料理も残っているが)。ウンブリアには貴族や王族とは別に聖職者が多かったために、料理もそれとは別にシンプルなものが多いのだ。サルデーニャも似た所があり、今でこそロブスターなど魚介類が豪快に食べられているが、一昔前はサルデーニャ人にとって、海は敵が攻めてくる危険な場所として、彼らは島の内部で羊飼いや農業を営んで暮らしていた。ヨアンナの料理はそういったお母さんのお母さんのお母さんと、代々続く昔ながらの料理で、味も格別で感激してしまった。私はやはり、どちらか選べと言われれば、少ない材料でもよい素材を使って作るシンプルな料理が好きだナ。
                      
                                    今日子






   

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