オリーブオイル屋 ブオーノイタリア
HOMESITEMAPお問い合わせ
ウンブリア便り 森の書斎から ショッピング くちこみレシピ 店舗案内
ウンブリア便り 〜 Kyoko's Diary
HOME > ウンブリア便り > ヨアンナ
Kyoko's Diary
 
ヨアンナ
2006年4月25日(火) 

ヨアンナは仲良しのマリーフランスのお兄さんの奥さんだ。時々マリーフランスの家にミラノからやってきて、何度か一緒に食事をしたことがあった。でも親しく個人的に話をしたことはなく、今回はじめて彼女が自他共に認める“料理マニア”だということを知った。マニアとは決して大げさな言葉ではないことが、料理をしている彼女を実際に見て納得する。マリーフランスがぜひ私にヨアンナの料理を見せたいというので、見に行ってみた。

ヨアンナはミラノで歯科医をしている。お母さんはサルデーニャ出身で、50年前にオーストラリア人男性と結婚する。昔の移民によくあった、手紙交換での結婚だった。お互い一度も会ったことがなく、文通で結婚を決め、オーストラリアに嫁いでいった。当時のオーストラリアには空豆さえなかったそうで、お母さんは内緒でいろんな野菜の種を持って嫁いだそう。ヨアンナが子供の頃、家の庭は空豆畑ばかりで、友達の家の庭に花が咲き乱れているのがうらやましくてならなかったという。お母さんは8年間、未知の国オーストラリアでサルデーニャ料理を貫いたそうだ。その後一家はミラノに移り、現在80歳のお母さんは今でもその姿勢を変えていない。豚だって解体してラードから何から手作りだと聞いて驚いた。都会のミラノで豚の保存食を作るなんてよほど肝が座っているとしか思えない。

ヨアンナの話は面白い。彼女の料理は昔のイタリア料理が基本にあり、ヌーベルキュイジーヌを真似た最近のイタリア料理はイタリア料理とは別物だ、と言う。レストランの料理は技術を磨くのには役立つけれど、それだけでは決してわからないものがある。昔から受け継がれる、生活に伴った料理を知らなければ、その技術は意味がない。私と同じ意見の人に会えてうれしくなる。私だったら、もし誰かにイタリア料理を習うとしたら、昔の料理を代々受け継いできたイタリア人の主婦になら心から習いたいと思うが、メディアにでて鼻高々になっている有名レストランの料理人(イタリアでは政治的な立場も関係している)の料理だったらあまり興味も沸かない。

というわけで、ヨアンナのサルデーニャ料理を習うことになった。私の著書「オリーブオイルのおいしい生活」を見せ、本の内容を説明すると、目を輝かせて、閉鎖的な農家の人々に習った食生活はかけがえのないものだと太鼓判を押してくれた。明日は朝9時からサルデーニャのドルチェを教えてもらう。私にとって新たな料理の幅が広がる予感大だ。

今日子


   

PAGE TOP
HOMEウンブリア便り森の書斎からショッピング店舗案内SITEMAPお問い合わせ
Copyright (C) 2004 Buon'Italia Co., Ltd. All Rights Reserved.