今年の復活祭も子羊の肉を料理した。しかし、今回は腿肉一本を料理する時間がなかったため、骨付き肉をフライにした。揚げ物は子供たちが好きだし、皆よろこんで食べてくれた。しかし、子羊ってなんて脂肪と骨が多いのだろうか。そして私は去年の決心もむなしく、今年も子羊の肉を味見することはなかった（またバカだねーと言われそうだ）。

皆が子羊を食べている最中、私は用意しておいたオレンジのサラダをたっぷりと食べた。オレンジとオリーブのサラダはシルヴィオが以前に紹介したが、今回はそこにウイキョウを薄くスライスして一緒に和えたサラダを作った。このレシピはローマの親戚から習ったもので、最近彼女が劇を見に行った時に食べたという。劇の最中、主人公がこのサラダを作り始め、それを観客全員に配ったそうだ。とてもおいしかったために、さっそく家でも作ってみたという。ウイキョウはクセがあって嫌いな人も多いかもしれないが、このレシピだとあまり匂いが気にならず、さっぱりとした食べ方ができる。見た目もアレグロ、とてもきれいだ。

作り方は簡単で、オレンジ５個の皮を剥いて一口大に切る。ウイキョウ１個（なるべく若いウイキョウで）を２ミリ程度にスライスする。黒オリーブの実をたっぷり入れ、オリーブオイルを半カップ、塩を好みで入れて和えるだけだ。甘いオレンジとオリーブの複雑な味、ウイキョウのサッパリ加減がちょうど良い。ボールの下の方にオレンジの汁とオリーブオイルが混ざったおいしい汁がたっぷり残るので、それをパンに浸して食べるのもまたよい。オレンジとパンなんて一見すごく変な組み合せのような気がするが、オリーブオイルが入った段階で果物というより野菜に変身してしまうから変な気はしない。

お腹が一杯になって一休みしたら、天気が良かったので皆で散歩にでた。この日は普段に比べて人も多く、やはり村の皆も散歩を楽しんでいた。散歩しながら、皆手に野生のアスパラを握っている。せっかく散歩するのだからと、私たちも薮に入って野生のアスパラを見つけて楽しんだ。薮の棘は痛いし、マムシがいるかどうか気になったが、目の前に立派なアスパラガスが生えていると怖がっているわけにはいかない。道端に落ちていた木の棒で薮をよけながら、帰る頃には一束採れて大収穫だった。明日はこれでパスタを作ろう。

今日子