昨日は朝から忙しかった。知り合いを通じて、オランダ人のジャーナリストがインタビューにきたのだ。なんのインタビューかというと、「なぜウンブリアが作家や芸術家を中心とした欧米人にこれほど愛されているか」をテーマにして記事を書くのだそうだ。ウンブリアでも特に彼らに人気のあるトーディとその周辺をターゲットにしたので、ピエルサンティ家にも、ということになったらしい。
お昼前にオランダ人のアン女史が到着する。この人、お昼食べていくのかしら?とよくわからなかったので、もしそうなったら簡単にできるブロッコリーのパスタを作ればいいやと思っていた。それからお昼になったので、パスタを一緒に食べましょうと、例によってパパッと作って食べてみると、どうやら満足してくれたようだ。
今日は夕食を友人のマリーフランスの家で食べることになっていたので、話の流れでアンも招待することになった。夕食には、ウンブリアに移り住んだり、別荘があったりするローマの人が集まった。皆でなぜウンブリアが好きなのかについて語り合ったのだが、結論としては、自然の美しさ、ローマからわりと近いこと、それに住んでいる人々の気質のよさなどが挙げられた(私も本に書いたかも)。
そんな議論の最中、私はただひたすら黙々と食べまくった。今日のごちそうはホロホロ鳥の料理だった。このホロホロ鳥は10人来たうちの一人、オルガが農家の人から買ったもので、農家の人が猟で獲ったものだそうだ。ホロホロ鳥もおいしさもさることながら、さらに調理法が込み入っていて驚いた。
まず鳥を炭火で2時間程ゆっくり焼く。これだけでも大変だし、おいしいからそのまま食べてしまいがちなのだが、焼いたあとキャセロールにニンニクとオリーブオイルを入れ、そこに刻んだケイパーと塩漬けのオリーブを入れ、ワインビネガーをたっぷり入れる。そこにローストした鳥を大きめに切り、煮込むというわけだ。炭火で香ばしく焼けた肉が、さらにワインビネガーの酸味が加わって、なんの臭みもなく、久しぶりに感激した。
しかも、食べる直前にオーブン皿にホロホロ鳥のレバーペーストを塗ったパンを敷き詰め、アツアツで汁気たっぷりのホロホロ鳥をかけてテーブルに出すわけなのだ。肉と一緒にこの旨味を吸い取って柔らかくなったパンをたらふく食べてしまった。残念ながら、人がたくさんいた手前写真をとれなかったのがくやしい。こうなれば今度自分で作ってみるより他ない。しかし炭火で焼いて苦労した後にキャセロールでまた煮込むなんて勇気がいるなあ、心してかからねばと思った。ホロホロ鳥でなくても、他の鳥でもできるかもしれない。
今日子 |