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生ハムが・・・。
2005年12月20日(火) 

謎の空洞
謎の空洞
そろそろ食べ頃だということで、1年近く前に作った自家製の生ハムを開けることにした。生ハムを開ける時はいつでもワクワクする。今年は上手くできただろうか、長い冬の間なにかにつけて生ハムのお世話になることになるな、などと考える。それにしても一本丸ごとというのは家族3人だとかなり多いので、今年は友人のマリーフランスに半分分けることにした。半分に切るのはかなり大変で、よくできた生ハムは丸太のように固い。これはちょっと私には無理だと思い、カポッチ家のイーボに半分に切ってもらうことにする。

快く引き受けてくれたイーボ。まず最初に表面についた深緑色のカビをスプーンでこそげ落としていく。このカビは生ハムを保存するには欠かせないもので、いい具合にカビがついている。しかし食べる時には邪魔になるので除けることにするのだ。

よく切れる包丁を出してきて、だいたいこの辺が真ん中かしらとあたりを付けると、勢い良く切っていく。力持ちのイーボが思いきり力を入れて包丁が入っていく。途中で軟骨にぶつかったので、知人に頂いた中華包丁を軟骨に振り下ろすと、ざっくりと骨がくだけた。

生ハムは骨の周りの部分が特に味がよいので、今年は真ん中から食べられると喜んできれいに切れた断面を皆で覗き込む。ところがイーボが変な顔をしている。「・・・。なんでこんな穴があいているんだろう?」よく見ると、生ハムの断面に直径5、6センチの空洞ができている。「これおかしいね。この穴のせいで肉がよく乾ききっていないよ」と言う。

たしかに、生ハムが生っぽい。生ハムだから生なのだが、干し肉はよく乾いていないといけない。すぐ傷んでしまうし、なによりも生すぎて気持ち悪い。いったいどうしてこんな空洞ができてしまったのだろうか。ひとつは生ハムにコショウをまぶした後、コショウが乾いてひび割れができたところにラードを注いで空気が触れないようにするのだが、そのひび割れが残っていたのかもしれない。または塩が上手く中まで入り込んでいなかったか。いくつかの要素が考えられる。

しかしここは子供の頃から生ハムを作り続けた、40年の経験を持つイーボ。これはもう一度切った表面にコショウをまぶし直して、カビの部分にキッチンペーパーを貼り直せば干し直せるという。なるほど。こうすればもう一度いい具合に乾燥させることができるのだ。お預けをくったが捨てないでまたおいしく食べられるならそれにこしたことはない。

イーボや他の生ハムを作っている農家の人達の話では、毎年気候によっても味が変わるし、失敗して虫が沸いてしまい、一本捨ててしまったこともあるという。生ハム一本を捨てるなんてかなりの痛手だが、これも仕方がないことだという。う〜ん、奥が深い。生ハム作り3年目の私だけれど、いつもバッチリというわけではなく、これからもいろんな場面にでくわすのだろうかと考え込む。がんばって経験を積んで、毎年おいしい生ハムを作れるようになりたいものだ。また新しい目標ができた。

今日子


   

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