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ウンブリア便り 〜 Kyoko's Diary
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Kyoko's Diary
 
我が田園でヨガ
2005年10月31日(月) 

ここ数週間、12月に刊行予定のウンブリア便りの原稿の直しや、シルヴィオの本の訳(これは来年夏頃刊行予定)やらで、パソコンに向かう時間が半端ではなくなってきた。当然、持病の腰痛も激しくなり、ついに我慢できなくなってマッサージに行く。マッサージの先生は私の背中にはひとかけらの筋肉もないとあきれることしきり。5年前(25歳の時)にも、接骨院と産婦人科の先生に「あなたの体は40代の体です」と言われたのを思い出した。さすがに3人目ともなれば、もう少し気にかけた方がいいかしらと不安になった。それを友人のマリーフランスに話すと、知り合いがヨガの先生をしているのでぜひ一緒に行こうと言う。イタリアでヨガ?先生はローマ在住のようだが、生徒はほとんどこの辺りのご婦人ばかりだ。最近ヨーロッパではとみにアジアの文化を好む傾向が強くなっていて、こんな田舎にもその波は押し寄せているのだろう。この腰の痛みがやわらぐのなら、と一念発起して行ってみることにした。

“マットと毛布と帯とクッションを持ってきてね”、と事前に言われていたが、行ってみるとなるほど、石の床に薄いカーペットが敷いてあるだけだ。石の床は心底冷える。座ってよく見ると、はっきり言って床がホコリだらけである。靴下を脱いで下さいと言われて、12人の女性が一斉に靴下を脱ぐ。ヨガはまず呼吸法が大事だと聞いてはいたのだが、なんだか私の隣にいるおばさんの足が臭い。先生は「はい、大きく息を吸って、吐いて」というのだが、ほこりと足の匂いでそれどころではない。皆家の中でもずっと靴をはいて生活をしているので、結構足の匂いが気になる人が多い。「日本で誰かの家に招待されても、私は足が臭い時もあるから絶対に靴を脱げないわ」と真剣に言っていたイタリア人女性がいたなあ、そういえば。

足を伸ばしたり曲げたり、体を動かしていくのはなかなか心地よい。途中で正座をする場面があり、「はいはい、正座ね」と座ってみる。すると先生が「皆さん、キョウコを見てごらんなさい。すばらしいです」と言う。

私のどこがすばらしいのかと思ってまわりを見ると、他の皆は正座ができないで苦しんでいる。なるほど〜、それでシルヴィオは日本のレストランの座敷で食べる時にあんなに変な格好をしていたのか、と急にわかった。レストランに着いてよっこらしょと正座をして前を見ると、シルヴィオの座高が異様に高い。上から見下ろされてお説教の場みたいである。なんでそんな変な格好をしているのかと聞くと、「僕は床に座れないから」と辛そうだ。欧米の人はイスの生活なので、正座をする時つま先を立てないと座れないらしい。

最後に休息の時間になって横になっていると、先生が「体の力を抜いて、息をすって、はいて,どこそこの右の骨の力を抜いて」と静かに語りかける。しかしこのリラックスの場面でも、どんどん専門用語がでてきてどこの力を抜くのか悩むことになる。ホコリとニオイと難しいイタリア語で、リラックスどころかさらに辛くなってきた。母国語だったらきっともっとリラックスできたのになあと残念だ。計3時間、終わった時のホッとしたことと言ったらない。

よかったことと言えば、腰の痛みがすっかり治ったことだった。これはすごい。すっかりうれしくなって、辛かったことももういいやと思えた。午後からは栗祭りに楽しく行けそうだ(この話はまた次回に)。

今日子


   

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