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Kyoko's Diary
 
イタリア理不尽日記
2005年9月18日(日) 

今日はいつもと違う内容で長いです(k)。

10日間仕事でローマにいた。やっと仕事が終わり、電車に乗って田舎に帰る途中だった。スーツケース2個と鞄3つ、子供を連れて最寄りの駅で降りようと手動のドアを開けようとしたが、壊れていてドア開かない。シルヴィオが慌てて前の車両のドアを開け、降りるから待ってくれと大声で何度も叫んだのだが、電車はドアが開いたまま出発してしまった。もちろんドアには故障中とは一切書いていなかった。

車掌を呼んでどういうことだと怒ってみたが、「ドアが開いたまま出発するなんてことは普通ないのですが・・・」と不思議がるだけ。次の駅で降りて駅長に言うと、「切符売り場の人に話してくれ」と言う。

切符売り場の女性は無愛想に書類を渡し、「ここに詳細を書いて下さい」。個人主義(?)もここまでくるとあっけにとられるばかりだ。反対方向に行く電車が来るまでに1時間半もある。戻るための切符ももちろんこちらで買わなければならない。駅の誰に話しても自分の責任ではないと言うだけである。日本だったらドアが開いたまま電車が出発した時点で夕刊に記事が乗るだろう。

イタリアでは物事がうまく進まないというのは周知の事実だが、たいていのことには慣れて怒ろうという気も起こらない。しかしここ数日だけで何度も嫌な目に合い、がっくりも頂点に達してしまった。

私の住む村の最寄りの駅は日曜日切符を販売する人がいない。切符の自動販売機が1つあるが、おつりが出てこないのでピッタリ用意しなければならない(おつりの引換券が出てくるが、それを持ってローマの駅まで行き、長蛇の列に並び、ようやく現金と変えてもらうことになる)。

今回5ユーロ(1ユーロ約136円)の切符を買うのに50ユーロ札しかなかったため、仕方なく電車の中で買おうと思って乗った。イタリアの電車には改札口がなく、買った切符を機械に入れて日付と時間を記入し、それから電車に乗る。乗ってしばらくすると車掌が乗車券を見に来るというシステムになっているのだが、今までは車掌が通らないこともよくあった。改札もなく、車掌も通らなければ、当然無賃乗車をする人もいたので、新しい法律を作ったそうだ。「機械が壊れたり(これもしょっちゅう)、切符がなんらかの理由で買えなかった場合、乗車してすぐに車掌に報告しなければ罰金」という法律だ。しかし大荷物で小さな子供と満員電車に乗り、どこにいるのかわからない車掌を電車の端から端まで探すのははっきり言って無理だ。仕方がないので車掌が来るのを待って切符を買おうとしたら、最初に言わなかったからダメだと言って罰金1万4千円も取られてしまった。切符が買えなかったのは私のせい???

知人のピーノはよくローマからミラノに飛行機を使って出張し日帰りで帰ってくる。先日も朝早く往復の当日券を買って出発したが、仕事が早く終わったため予約の時間より1時間早い飛行機で帰ろうとしたところ、変更は24時間前に申告しなければ罰金という法律ができたと言われたそうだ。

日帰りで当日券なのに、いったいどうやって24時間前に予約変更をすればいいというのだろう???(するなと言うことか)。ちなみにローマ〜ミラノを日帰りで行き来するビジネスマンは大勢いるはずだ。

サンピエトロ寺院の前でジュースを買おうとして、いくらか聞いてみたら、小さいボトルが4ユーロもするという。別の場所で買えば1ユーロで買えるので、じゃあ水にすると言ったら、お店の人に「今度から値段を聞くんじゃない!近くのバールでも同じ値段なのだから!」と怒鳴られた。なんでお客の私がどなられなければならないのかさっぱりわからない。

こういう目にあうと、くやしいし悲しいし気分がどっぷり沈む。

イタリア人が家族を大切にするのは、長い歴史の中で政府をたよりにできなかったからだとシルヴィオに教えてもらったが、こういう時、それが身にしみてわかる。外で散々な目に遭い、なんでこんな目に合うのだろうと辛い時、家に帰って一人というのはさらに辛く悲しい。実際シルヴィオと一緒になる前はそうだった。それが大切な家族がいるというだけでどんなに気持ちが救われることだろう。家族なんてヘヘンだと思っていたが、この国に限っては考えなおそうと思う。

今日子


   

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