私の家の周りの道路は舗装されていなく、延々と白い砂利道が続いている。その道には、8月の中旬頃からたくさんのブラックベリーがなる。今日はブラックベリーを摘みに、子供達と一緒に散歩に行くことにした。
野生のブラックベリーはトゲだらけで、たいてい手の届きにくい所に生えている。道の土手の所にたくさんあるのだが、足下を見るとグルグルにトゲ付きの枝が巻き付いて、一体どこからが地面でどこからが枝だけなのかわからない。土があると思ってうっかり足を入れると、ブラックベリーの茂みに落ちてしまうかもしれないので気をつけなければならない。もちろんマムシもいるかもしれないので、太い棒などを持って行く。
あそこにも、ここにもとどんどん摘んで行くと、たちまちかごがいっぱいになった。手はブラックベリーの汁でベタベタになり、トゲでひっかき傷がいっぱいできた。子供達は摘みながらせっせと口にほうりこんでいる。
ブラックベリーというとなんだか華やかで素敵な果物のような感じがするが、実際にはラズベリーやブルーベリー程のインパクトはない。酸味がまったくないので、私は生で食べるのはあまり好きではない。種もたくさんあって口の中にいつまでも種が残る。私の友人のフランス人のおばちゃんは生クリームをたっぷり泡立てて一緒に食べるという。それもおいしそうだが、今日は沢山とれたのでジャムを作ることにした。
ジャムにする場合も、種が多くていつまで煮てもボソボソのままなので、しばらく煮たら野菜こし器でこしてしまう。砂糖だけだとしゃっきりしないため、レモン汁を多めに加えることにする。こうすると私の大好物のベリー系のジャムの味になる。このジャムも朝食のパンにつけるだけでなく、ケーキに使ったりもできてとても重宝する。
ブルーベリーやラズベリー、ブラックカラントなども植えてみたけれど、どうも育ちがよくない。やはり夏に決定的に水が少ないのがだめなのだろうか。しかもこの辺りの人はこれらの苗を知らないらしく、庭に植えても草刈りに来た人に苗をすっかり刈られてしまったりして、ますます育たない。
私の今後の課題はこれらのベリーをたくさん作っていろんなジャムを作ることなのだ。これができたら夏の楽しみがまたひとつ増えるのになあとぼんやりと思う。
今日子 |