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Kyoko's Diary
 
七面鳥を絞める
2005年8月11日(木) 

作業の途中で一息
作業の途中で一息
暑い暑いと思っていたら、1週間前から雨が降って涼しくなった。朝夕は寒くて長袖を着るほどだ。今日はエミリアおばさんの七面鳥を絞める日で、我が家も一羽頼んでおいたので手伝いに行くことにした。この間地鶏を絞める日にすっかり寝坊して約束をすっぽかしてしまったため、今日はどうしても行かなければならない。

エミリアおばさんは朝6時からドラム缶にいっぱいのお湯を薪でわかして用意する。着いたらすでにカポッチ家の親戚のおばさんも2人いて、七面鳥を絞めている最中だった。七面鳥はニワトリに比べて大きくて力も強いため、男の人でないと力負けしてしまうので、そこだけ旦那さんに手伝ってもらう。だいたい体重が11キロ程で、大きいのだと17〜18キロにもなる。

七面鳥を食べ始めたのは息子が2歳になるまで食物アレルギーがあったため、鶏ではなく七面鳥にした方がよいと医者に勧められたからだ。七面鳥の肉は淡白で、特に農家で飼育しているものは繊維も多い。でもそれはきちんと運動をして市販の飼料を食べていないからだそうで、実際変な脂肪の匂いがしない。それまでレストランで食べたこともあったが、なんでこんな肉を好んで食べるのだろうかと疑問に思っていた。おいしいともおいしくないとも言えない、と思っていたのだ。ところがエミリアおばさんの飼っている七面鳥をカポッチ家で炭火で丸焼きにして食べたときに、七面鳥のおいしさがわかったのだ。なんというか、さっぱりしているのに香りがよくて繊維も気にならない。秘訣は火を通す前にグラッパ、ローズマリーとオリーブオイル、塩、レモンの皮に漬けておくことだそうだが、それでも肉屋で売っている七面鳥ではこんな味にはならないだろう。

絞めた七面鳥を沸騰したドラム缶のお湯にサッと入れて取り出す。こうして羽をむしるとスムーズにいく。皆で羽をむしりながら、「また生えてこないからいいわよね」と冗談を言って笑う。それからレバーや砂肝などを取り出して小さく刻む。こちらは新鮮なうちにニンニクとオリーブオイル、ローズマリーなどの香草で炒めて食べる。

一度に食べるには大きすぎる量なので、モモ、胸肉など切り分けて今日食べる部分以外は冷凍にしてしまう。切り分けたら水できれいに洗って一通りの作業はおしまいだ。全部で7羽もあったので、かなり大変な作業だった。終わったのは午前11時頃で、なるほど、こういう風にして肉屋に並ぶのだなあと納得する。

普通農家から肉を買う場合、お金だけ払って解体を手伝ったりはしないのだが、私の場合豚の解体にも参加しているので、そういえば鶏や七面鳥も参加した方がいいのかしら?とふと疑問に思い、手伝うようになってしまった。私が手伝うと農家のおばちゃんたちはすごく喜ぶ。ただ労力が一人分増えるからという理由だけではないみたいだ。まさか都会からやってきた人間がこんなことをするとは思ってもみないらしく、私が農家の暮らしを心底いいなと思っていることが伝わるからなのだろう。

今日子


   

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