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ウンブリア便り 〜 Kyoko's Diary
Kyoko's Diary
 
パン粉
2005年7月3日(日) 

これは私の作った肉詰め
これは私の作った肉詰め
今日はエミリアおばさんの所で地鶏を絞めた。エミリアおばさんは近所のカポッチ家に嫁いだ人で、息子のベビーシッターを3年間やってくれた大事な人だ。

地鶏はだいたい3ヶ月に一度いっぺんに絞め、冷凍庫でストックしておく。冷凍した肉は、たしかに絞めたばかりの地鶏よりも多少味が落ちる。それでも、どの肉屋で売っている新鮮なブロイラーよりも格段においしいので、うちではいっぺんに5、6羽買うことにしているのだ。

この時期は暑いので朝早くから作業を始める。私も手伝おうと思い、何日か前に手伝いに行くからと伝えておいた。朝6時半から7時頃に始めるというので、早起きが苦手でもがんばるつもりだったのだ。ところが肝心のその日、目が覚めたらなんと9時半をまわり、すっかり寝坊してしまった。飛び起きてカポッチ家に行ってみると、皆ほとんど作業を終えている。「ほんっとにごめん」と平謝りに誤って残っていた作業を手伝うことにする。皆「いいから、いいから」と笑って怒らなかったが、内心はきっと「この〜〜」と思っていたに違いない。次回は2倍働くからと約束しておいた。

手伝ったのは鶏を水できれいに洗うのと、レバーや砂肝などを細かく切って料理の前の下準備をするところだけだった。そのうちお昼になったらエミリアおばさんはさっさと食事の支度をして、なんと私たち家族の分までお皿を用意している。せっかくだから食べて行ってちょうだいと、作っておいたズッキーニの肉詰めとサラダ、トマトソース、牛肉を焼いて待っていた。

ここでズッキーニの肉詰めを見てみると、中身は肉ではないことに気がついた。普通はひき肉に生ハムやサルシッチャの中身、パルミジャーノを混ぜて中身を全部のけたズッキーニに詰め、オーブンでトマトソースと一緒に焼くのだが、もう半分はパン粉が詰めてある。パン粉なんて、肉詰めに比べたら劣るなあと思って食べてみたら、以外にもすごくおいしかった。パン粉にパルミジャーノや香草など混ぜてあるのだが、ズッキーニの味がよく染みてやさしい味になっている。

イタリアに来てからパン粉はあなどれないと思うことがしばしばある。パン粉なんて日本ではフライにする時の衣かハンバーグのつなぎくらいにしか印象がなかったのに。ローマ風のアーティチョーク料理にはアーティチョークの中に刻んだ香草とパン粉を混ぜて詰め込む。シチリア風のツナのスパゲッティにはツナとオリーブオイルとイタリアンパセリ、そこにパン粉をたっぷり和えて食べる。ツルツルのスパゲッティというよりはモソモソのスパゲッティで変な感じだが、食べてみると不思議においしい。ツナの味は強いので、スパゲッティ+パン粉でツナソースの味と釣り合わせようという魂胆だろうか。パプリカやナス、ズッキーニを薄めに切ってオーブンで焼く場合も、パン粉と生の香草、オリーブオイルを上に薄くではなく、“たっぷり”かけて焼く。やはりパンが主食の国(イタリアでもパンはある意味パスタやピザ以上に重要)ならではの使い方なのだなあと思う。日本に入ってきているパン粉の使い方よりもっと奥深いものなのだ。

今日子


   

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