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Kyoko's Diary
 
お祝いの子羊
2005年3月29日(火) 

よく焼けた子羊
よく焼けた子羊
さて、前回のロメオおじさんの子羊を食べる日が来た。本当なら子羊を食べるのは復活祭の日曜日と決まっているのだが、うちは親戚が大渋滞になるのを避けて金曜日に集まったので、少し早めて食べることになった。普通復活祭前の金曜日というのはキリストの復活前の金曜日ということで、一番質素な食事をしなければならない。子羊なんてとんでもないのだが、うちの親戚は皆敬虔なクリスチャンではないのでまあいいか、ということになった。絞めてから2、3日おいた子羊の方が味が引き締まっておいしいとロメオおじさんに言われていたので、ばっちりだ。

この辺りでは子羊は生後5ヶ月くらいで食べごろという。その方が味が濃くなると言い、フランスのようにもっと小さい子羊は食べない。それにイタリアの子羊料理は、皆かなり火を通して中までしっかり焼く。スコッタディートと言う名前を聞いたことがある人もいるかもしれないが、この料理は「アツアツで指をヤケドするくらいに焼いた」という意味がある。これもまたローストビーフのように中を半分生状態に焼くフランス料理とは全然違う。

どちらがおいしいかと言うとこれはもう好みでしかなく、中部から南イタリア、ギリシャにかけてはよく焼く方法が主流のようだ。たぶん気温と関係があるのではないかと思う。2人の友人のフランス人のおばちゃんは、どちらも正反対のことを言う。一人は「どうしてあんなにカラカラになるまで焼くのかしらねえ。薄いピンク色が残った方が羊の味がしておいしいのに・・・」。もう一人は「私はフランス風の子羊料理は大ッ嫌いなの。生焼けで気持ちが悪いし匂いが気になって食べられないわ」だそうだ。しかし今回は生後70日の小さな子羊だったので、一緒に1頭の半分を買った、生焼けが好きなフランス人のおばちゃんがとても喜んだ。

私は羊と名のつくものは肉でもチーズでも食べられないので、残念ながらなんとも言えない。羊嫌いは中学の時林間学校で、ものすごい臭いジンギスカンを食べてから始まったのだ。それ以来、どんなにおいしい匂いのしない子羊と言われても、あの時の匂いがよみがえって食べられない。食べられないのに料理をするのはかなり大変だ。近所の主婦に聞いたやり方を真似するのが精一杯である。

子羊のモモ一本を炭火焼きにするのだが、必需品は生のローズマリーだ。これを茶碗に大盛り一杯分くらいみじん切りにする。一緒に塩、ニンニク2カケも入れてみじん切りにし、茶碗一杯分くらいの豚のラードを練り込む。よく混ざったら、モモに4、5カ所切り身を入れ、このローズマリー入りラードを中まで入れる。こうすると香草とラードの旨味が肉全体にまわってさらにおいしくなるそうだ。

これを炭火で2時間程回しながらゆっくり焼く。最初臭いと思っていた羊の肉も、4年目にもなるとローズマリーの香りと混じる匂いがだんだんいい匂いのような気がしてきた。焼いていると甘いミルクの香りがしてくるのだ。この分だと来年には味見だけならしてみようかなとふと考える。

出来上がりを食べた親戚達の喜んだことと言ったらない。本当に、肉屋で売っている子羊とは天と地ほどの差があるという(ちなみに、この時期はローマで子羊1キロあたり約18ユーロ。うちで買ったのは1キロ6ユーロ、モモ一本2キロだから、いかに安いかもわかる)。骨からほろりと肉が落ちるほど柔らかくて、臭みもまったくないそうだ。あっと言う間にモモ一本を平らげてしまった。無事にお祝いの食事が終わり、皆喜んでくれてよかった。

今日子


   

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