オリーブオイル屋 ブオーノイタリア
HOMESITEMAPお問い合わせ
ウンブリア便り 森の書斎から ショッピング くちこみレシピ 店舗案内
ウンブリア便り 〜 Kyoko's Diary
HOME > ウンブリア便り > インボルティーニ
Kyoko's Diary
 
インボルティーニ
2005年3月2日(水) 

インボルティーニ
インボルティーニ
近頃豚肉の話題ばかりだったので、今回は牛肉について。インボルティーニは牛肉の薄切りにニンジンやセロリ、また地方によってパルミジャーノ、生ハム、アーティチョークを入れて巻いたものだ。日本でもインゲンやアスパラを巻いて弁当のおかずに入れたりする。ただ、日本の牛肉のように本当に薄切りではない。だいたい3ミリくらいはある。それと日本の牛肉のように霜降りではないので、巻いた時にさらにゴロッとする。最初夫が作っているのを見て、こんなゴロッとした肉巻きはおかしいと思った。第一肉を巻いてもピッタリくっついてくれないので、つまようじでブスッと刺して止めなければならない。

今日作ったのは、ラツィオ州のレシピを一部利用する。特徴は中にグワンチャーレ(豚の頬肉を干したもの。脂身がとても多い)を薄く切ってみじん切りにし、ニンニク、ローズマリーのみじん切りを混ぜて、肉の一面に塗る。この時肉に塩もまぶしておく。前々回ニンニクはみじん切りにはあまりしないと書いたけど、今回はみじん切り。そしてセロリとニンジンを適当に棒状に切って一切れずつ入れ、それをクルクルと巻き、ほどけないようにつまようじでとめる。今日は夜お客さんが来るので、全部で30個も作る。

ソースには、自家製ラードを大さじ一杯、生ローズマリーのみじん切り、ニンニク2カケ(これはみじん切りにしない)、セージを入れてゆっくり焦がさないように炒める。ニンジンやセロリが余っていたら、これも適当に刻んで一緒にソースに入れるとよい。じわじわと良い香りがしてきたら、ここに用意した肉巻きを敷き詰めて炒める。この時も、強火で肉の表面だけジュッと焦げ目をつけて・・・、なんてことをしないで適当に中火から強火くらいで炒めていく。水分がたくさんでるので、蓋をしないで水気をとばす。イタリアで牛肉をフライパンで炒めると、なぜこんなにたくさん水分がでるのか謎だったのが最近わかった。長いことテフロン加工のフライパンでガスの火も弱すぎるからかなと悩んでいたのだ。そのせいもあるけれど、肉に脂肪分がまったくないので、脂の代わりに水分がたくさんでるらしい。赤身だけの牛ひき肉と脂肪のたくさんついた牛ひき肉を別々に炒めてみて気がついたのだが、脂肪が多い方は水がまったくでていなかったのだ。これにはなるほどなあと驚いた。

さて、話がそれたが、次に赤ワインをグラス2杯分、たっぷり目に入れる。ワインが煮たって良い香りがしてきたら、今度はトマトの水煮を手でグズグズにして入れる。煮立ったら塩も入れて蓋をし、2時間ほどゆっくり煮込む。煮込むことで、ヨーロッパ特有の固い牛肉は繊維が柔らかくなり、とてもおいしくなる。脂身が多い日本の霜降り肉だと、トマトソースに脂がういてしつこい。これはどんな牛肉を使った煮込み料理にも言えることだ。

そしてゴロッとしていると思っていた肉巻きも、たっぷりのトマトソースによくからんで柔らかく、ほろりと崩れるほどだ。巻いておいた香草やグワンチャーレが肉の中から香りをだして、ソースにもじんわりコクがでる。このソースが余った時は、パスタを茹でて次の日のお昼に和えて食べるのが楽しみ第2段階なのだ。

今日子


   

PAGE TOP
HOMEウンブリア便り森の書斎からショッピング店舗案内SITEMAPお問い合わせ
Copyright (C) 2004 Buon'Italia Co., Ltd. All Rights Reserved.