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Kyoko's Diary
 
生ハム第2弾
2005年2月18日(金) 

塩をとった状態の腿
塩をとった状態の腿
1月に塩漬けにした豚の腿は、30日から40日で塩抜きをする。全体に覆われた岩塩を除け、腿一本が入る大きな容器に水を入れて一晩漬けておく。この容器は子供が生まれた頃子供のお風呂にしていたものだから、今豚の腿一本を入れていると思うとなんだかおかしい。大量に使った塩は、農家では鳩(もちろん食用)のエサにするそうだ。鳩は塩分をよくとるそうで、そうすることで鳩の肉の味もおいしくなるのだという。私に生ハム作りを教えてくれるカポッチ家の嫁・エミリアおばさんの話では、彼女の母親はこの使い終わった岩塩もきれいに水で洗ってから、自分たちの料理用に使っていたそう。私は鳩もいないし、洗うのも大変だし(なによりも、塩なんて安く買えるしという思いがある)、おばちゃんの鳩にどうぞ、と差し出す。鳩には塩分のとりすぎに気をつけてほしいと思いつつ。

次の日、水から取り出した腿を白ワインできれいに洗う。消毒の意味がある。洗ったら半日乾かし、夕方にはニンニク丸ごとをまんべんなくこすりつける。小さく刻んだりせずに、香りがつけばよい。次にコショウを全体にたっぷりまぶし、先端の骨が見える部分には粉末のペペロンチーノを塗り付けておく。骨の部分から雑菌が入りやすいからだ。

これで3、4日ねかせておき、専用のガーゼの袋のようなものに入れて1年間干しておく。場所は風通しがよく、湿気が少ない、暗くて涼しいところというのが条件だ。もちろん、生ハムの作り方にも地域によっていろいろあるだろうし、もっと言えば家庭ごとに違うだろう。だが自分で作ったという満足の他に、市販のものとちがって肉の質が良いこと、保存料を使わないこと、などの利点がある。それと生ハム一本家にあることで、脂身や固い部分などを料理に使って幅を広げられることだ。トマトソースに、豆の煮物に、トルテッリーニ(生ハムや豚ひき肉を混ぜて生パスタで包んだもの。餃子のようなもの)などなど、これがあることで何倍もおいしい料理ができる。売っている最高級の生ハムでなくても、普通に自宅でおいしい生ハムを常食として食べることは日本人の私にとってはとても興味深い。

昨日ちょうど日本から送ってもらった麹を使い、みそを作ってみた。イタリアで自家製みそというのも不思議なものだが、イタリアにいるからこそ、おいしいみそ汁が飲みたくなった。以前日本でいただいた、自家製みそを使ったみそ汁の味がずっと忘れられない。やはりどんなに値段のはる市販のみそよりも美味で、こんなにおいしいみそ汁が飲めるのならウンブリアでもがんばって作ってみようと一念発起した。みそも生ハムも、保存食として昔の人が考えだした、保存料をまったく使わない食料だ。今の食生活で化学調味料や保存料を一切省いてしまうのは大変なことだし、アレルギーがなければそこまで神経質になることもないだろうが、昔ながらの保存食というのは本当に"面白い""おいしい""体にいい"のだ。

今日子


   

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