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Kyoko's Diary
 
豚の解体2
2005年1月16日(日) 

豚の解体2
豚の解体2
今日は午後2時から豚の解体第二弾が始まった。カポッチ家の外の台所(貯蔵庫のような所に台所がある)で、親戚が8人集まる。豚の持ち主アルジェーロとイーボが中心になってどんどん出刃包丁で肉を切っていく。横で女5人と12歳の娘が骨についた肉を削ってサルシッチャ(生ソーセージ)用の肉を切ったり、豆を煮る時に使う皮の脂肪を除く作業をする。その中に私も混じって頭の肉を削ったりした(!)。皆本当に真剣で、手早く作業するので緊張する。誰か懇切丁寧に教えてくれるわけではない。家庭によってどの部分をどうやって食べるかも異なるので、最初からどこを干し肉にしてどこをサルシッチャにするか漠然としかわかっていなかった私には大変だった(肉の部位もいろいろな呼び方があるので、それを覚えるだけでも苦労した)。

作業場には暖炉があるのだが、ドアを開けっ放しにしているので寒くて仕方がない。手がかじかんで包丁を持つ感覚もなくなってくる。しかし寒い所で行わないと、肉がいたむので仕方がない。

骨についた肉の部分と一緒に、レバーを半分ひき肉にしてサルシッチャ(マッツァフェーガト)を作る。サルシッチャの皮は、塩漬けの魚の腸をぬるま湯につけてふやかし、中に安い白ワインを流し込んで臭みをとって使う。昔は豚の腸を使っていたそうだが、洗浄が大変なのと破れやすいのとで皆魚の腸を使うそうだ。塩とコショウを肉の量の約10%入れるのでかなり塩辛くなるが、このサルシッチャは2週間ちかく干しておくので塩こしょうをたくさん入れることで殺菌にもなる。

3時間で切る作業が終わり、きれいに切った生ハム用の大きなモモ肉、ベーコン用の三枚肉、もう一つのハム「カポコッロ」は別の場所に5キロの岩塩をまんべんなくかぶせて40日間寒くて風通しのよい所に置いておく。水分が下に落ちるのでおがくずを敷いておく。

この時点で私は寒さと疲労で熱い風呂に入って寝たい気分になっていたが、ここからが農家の女達のすごいところだ。手伝ってくれた親戚を招いて夕食を20人分作って食べる。時給いくらで働くのではなく、切ったロースを20枚提供して、感謝の気持ちを表す。さあ夕食の用意をしましょうと、今食べない肉を小分けにしてビニール袋に入れて冷凍庫に保存した後、ニンニクの皮を剥き、オリーブオイルを鍋にしいてパスタ用のソースを作り始める。夏の間に作ったトマトの瓶詰めを大量に鍋に入れ、サルシッチャを作った時に余った粗挽きの肉をトマトの中に放り込む。この肉は骨についていた味が良くでる部分なので、パスタソースに入れるとすばらしくおいしいダシがでる。

ロース肉は暖炉の炭火でローズマリーと塩こしょうでじっくり焼く。サラダを作って夜7時半にはみんなで食事を始める。どれも本当においしくてすっかり元気も回復した。やはり肉がおいしいと料理がここまでおいしくなるのだなあとうれしくなる。食事が終わったらナポリ式のトランプで遅くまで大騒ぎだった。皆素朴で元気で、おいしいことが人生の中で本当に大事な位置を占める人達なのだなあとつくづく感心した。最後に驚いたのは、カポッチ家は他の3家族も豚を解体するそうなので、昨日と今日のような夕食が何日も続くそうだ。う〜ん・・・すごい!

今日子


   

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