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おいしいスープ
2005年1月10日(月) 

おいしいスープ
おいしいスープ
近頃イタリアでは様々なスープが流行っている。雑誌のレシピにもよくでるし、料理本にも何種類ものミネストラ(スープ)が載っている。しかし意外とイタリアの家庭で作るスープを味わう機会のある外国人は少ない。なぜなら、ミネストラはお客さんをもてなす時にはあまり出さないものだからだ。お客さんに出すミネストラは、だいたいコンソメ(もちろん手作り)のことが多い。ミネストラは残り物の野菜の切れ端で、その時あるものを使って作る。私がこの時期よく作るのは、ジャガイモ2個、ニンジン2本、セロリ2本、夏の終わりに収穫した熟れてないトマトで、やっと最近日陰でオレンジ色に変わったもの、ビエータ(てん菜の葉)、リーキ(ネギでもよい)、キャベツ4分の1などを、切らずにそのまま鍋に入れ、水から弱火で煮る。沸騰したら岩塩を一つまみ入れ、蓋をしたまま2時間コトコト煮る。別に、トスカーナ豆を一晩水につけておいたものを水から煮る。豆は一度沸騰したら水を全て入れ替える。そしてまた岩塩を少なめの一つまみ入れ、柔らかくなるまで3時間ほど煮る。豆は味がよく出るので面倒臭がらずにぜひ入れたい。

スープは一晩置いておくと味がしみて断然おいしくなる。一日置いたら、具の野菜半分と豆をお玉で二杯分、ミキサーにかけてドロドロにする。野菜を茹でたスープは野菜の旨味が十分にでているので、これをカップ3杯分ほど使ってスープ用の小さなパスタを茹でる。パスタを茹でると突然スープの味に深みがでるので、必ずこのスープで茹でることが大切だ。茹でたらミキサーにかけた野菜を茹汁、パスタと混ぜて温める。お皿にアツアツを盛り、パルミジャーノとオリーブオイルをクルリと回し入れて食べる。ベージュ色でドロリとしているが、パルミジャーノの白っぽい色にオリーブオイルの緑色と金色が混じった色がキラリとしてとてもきれいだ。今までスープには必ずブイヨンを入れないと味が薄いと思っていたが、それは野菜に味がなかったからだった。今作るミネストラには、ブイヨンやその他の科学調味料は一切入れていない。正真正銘、塩と水と野菜だけだ。それなのに、野菜の滋養と深い味、化学調味料では出せないすっきり鮮烈な感じが、本当においしくて、毎日食べても飽きがこない。

このミネストラは野菜のポタージュと言ってもよいが、牛乳や生クリーム、バターなどが入っていない。野菜がおいしいので、これらのものを入れたら台無しになってしまうだろう。東京のスーパーで野菜を買うときれいでりっぱだが、味がしない。味がしないので質の悪いマヨネーズやら生クリーム、ブイヨンを山ほど入れてごまかしている。みなさんも、農家に知り合いがいたり、どこかで本当においしい野菜が手に入るなら、ぜひ作ってみてほしいミネストラだ。きっと心温まるおいしいミネストラが出来るだろう。イタリア人はこういったものを家庭で食べて体を休めるのだ。

今日子


   

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