先日イタリア人の親戚からDVDを借りた。日本のホラー映画で、すごくおもしろかったからぜひ見てほしいと言う。ホラー映画なんて見たくなかったが、日本語でイタリア語字幕だと言うので日本語が聞きたい私はつい見てしまった。
最近イタリアのPay TVでは、週に一度日本のホラー映画を放送しているのだそう。考えてみるとイタリアで幽霊の映画や話は聞いたことがない。実際、うちでは子供や夫に幽霊のことを言う時、「おばけ」と日本語で言う。イタリア語で話しているのになんでそこだけ日本語なのかと聞かれて、イタリア語でお化けはなんだっけと考えた。ちゃんとスピリトと言う名前があるけれど、この言葉から怖いイメージは浮かばない。
夫に聞いてみると、スピリトは普通、幽霊は幽霊でも良い意味で使われるそうだ。守ってくれる先祖の霊とか、教会にある天使とかを意味するのだ。なるほど、イタリアの幽霊は怖くないのだ。
ヨーロッパでは怖いお化けといえば、イギリスの古いお城で、殺された主が馬で走る音が聞こえるとか、ルーマニアのドラキュラとかが有名だ。
そう考えると、田舎の古い一軒家の我が家はまさにお化けがでてきても良さそうな感じだ。日本には怖いお化けの映画や漫画、昔話が山のようにたくさんあるあると言うと、夫がやっぱり日本人は苦しむのが好きなんだと納得していた。
私は心の中で、そうか私は天使の国に住んでいるのか、と思った。
今日子 |