きのうは久しぶりに雨が降った。9月に一度降ってからまったく降らなかったので、カラカラに乾いた畑にはちょうどよかった。
雲行きが怪しくなってきた頃、水道屋が今日は来られないと電話して来た。もう1週間も前から来てもらうよう頼んでいたのに、また駄目になった。理由は、雨が降る前に今年のブドウをつんでしまわなければならないから、だそうだ。それは大変、がんばって下さい、と電話を切った。
(こちらではワインは土地があれば誰でも作っている。水道屋だって、自宅で飲むワインは自分で作る。別に特別なことではなく、ワインがいかにイタリアの食生活になくてはならないものなのかがわかる)
皆雨が降らないと、ギリギリまでブドウの収穫をのばすらしい。そしてより熟して甘くなるように待つのだ。今年はどこも収穫が遅く、そういえば収穫祭はまだ?というような状況だった。
この近所ではオリーブの収穫の時も、郵便局のおばさんが1週間休みをとる(もちろん代理の人が仕事をする)。そして自宅のオリーブの収穫を手伝うのだ。ワインやオリーブオイル、小麦の収穫は、今年一年の食料が決まる最も大切な行事なので、村中誰もいなくなってしまう。そういう理由で仕事ができないのは仕方ない、と皆納得済みだ。今年も夏中雨が降らなかったし、きっとおいしいワインができることだろう。収穫祭が楽しみだ。
今日子 |