毎日暑い日が続く。私の家は古い石造りの家で、昔ながらのウンブリア風の作りだ。一番の特徴は、窓が小さいことだ。一体どうして窓がこんなに小さいのだろうと最初の頃いつも疑問に思っていた。
家の中はいつも薄暗くて、電気をつけないと本も読めないような部屋もある。夏は暑いからと言って雨戸も閉めてまっくらにしてしまうので、引っ越してすぐの頃はなんでこんな穴蔵生活をしなければならないのだろうと疑問に思っていた。
しばらくして、暑いので風が入ればもっとましかと思い窓を開けると、反対に熱風が入ってきて家の中の温度がさらに上がってしまうことに気がついた。日本よりもっと日差しが強いので、日があたらなければあたらない程気温も低くなるのだ。
なるほど、たしかにこちらの夏は日陰に入れば随分すずしい。家の中も同じことなのだ。というわけで、窓が小さいのは寒さを避けるためだけでなく、その反対の意味の方が強いことがわかった。日差しが入ってこないようにするために小さくなっているのだ。
確かに、オランダやこの間行ったフィンランドなど寒い所は、窓が大きくてよく日があたるようになっているなあ。
今日子 |