そろそろ空豆の季節になった。こちらでは空豆は豆が大きくならないうちに収穫して、若くてやわらかいものを生で食べることも多い。
食卓にさやごとだし、羊のチーズ、ペコリーノと一緒に食べるのがみんな好きだ。私は残念ながらペコリーノが嫌いなので、別の牛の乳のチーズと一緒に食べるのだが、チーズと食べるのにはそれなりに理由がある。
空豆を生で食べると、飲み込んだ後口の中に苦みが残る。この時にチーズを食べるとこの苦みがスッと消えていく。そしてチーズのしつこさが少し口に残る。するとまた空豆のさっぱり感が欲しくなり、また空豆を口にする。という繰り返しなのだ。にわとりが先か、卵が先かではないけれど、いつまでも食べ続けてしまう。同じことがチーズと洋梨にも言える。チーズをさっぱり、洋梨をこってりと食べられるのだ。
空豆の話にもどるが、他には同じ時期にでるグリーンピースと一緒に鍋で煮るのもおいしく食べられる。深鍋にニンニクとオリーブオイルを炒め、タマネギのみじん切りを少々(入れなくてもよい)弱火で炒める。そこに空豆とグリーンピース(生)を半々ずつたっぷり入れ、塩をして弱火でコトコト煮る。水は入れなくても野菜からでる水で柔らかくなる。最初から強火でどんどん炒めると、水気が飛んでしまい柔らかく煮えないので、それだけ注意することだ。
ただ塩で味付けしただけだが、グリーンピースと空豆の独特の甘みとほろ苦さがまじってとてもおいしくできる。小鉢にちょっとではなく、お皿にいっぱい食べる、ボリュームもある料理だ。ついでにお腹のコンサートも始まってしまうのだが、この季節ならではのすてきな一品だ。
今日子 |