オリーブオイル屋 ブオーノイタリア
HOMESITEMAPお問い合わせ
ウンブリア便り 森の書斎から ショッピング くちこみレシピ 店舗案内
ウンブリア便り 〜 Kyoko's Diary
HOME > ウンブリア便り > 貴重なトマト
Kyoko's Diary
 
貴重なトマト
2004年4月7日(水) 

ちょっと暖かくなったかと思うと、次の日は寒くて風がビュンビュン吹いて寒い。まだ完全に春にならないのが、畑の土を見てもわかる。

早く夏野菜を植えたくて待ちきれないので、畑を耕しに来てもらう人にもうそろそろ準備したいと言うと、まだ土がぬれているから耕せないと言う。毎年私は気が早くて笑われるのだが、夏野菜のトマト、ズッキーニ、カボチャ、ナス、インゲン、ピーマンなどはやはり野菜の中でもランクの高いもので、派手さ加減も他とは違う。

私の家の近くに住んでいるおばあさんは、トマトを作るのに、50年以上も彼女の育てたとトマトの種を使って育てている。普通みんな苗を購入するのだが、その人は暇だから、といいながら毎年種をとっておいて乾かして次の年に使う。

これはここ10年20年と改良に改良を重ねているトマトのことを考えると、とても貴重なのだ。改良を重ねたトマトは病気に強いが、味が人工的なのが特徴だ。だからその人の作るトマトは50年前のものと同じもので、味も変わらないことになる。

家も本当にオーソドックスな農家だが、まわりの景色がすばらしいので、本当にいいところですね、と言うと、ここなら自分たちの食べる物を作れるし、家畜も飼う場所があって本当によかったよ、という返事が返ってきた。

少し分けてもらったトマトを食べると、たしかに変に甘くないし、野性的な香りが強くて地味においしい。そのおばあちゃんは自宅用、息子夫婦二家族用とで、冬の瓶詰め用トマトは60〜70の苗を植え、それいがいにオーソドックスな丸いトマトを30株ほど作っている。店に出している訳ではなく、すべて家族用でスーパーなどではまったくトマトを買ったことがないそうだ。70歳を過ぎた人だが、この先息子がこの貴重なトマトを根絶やしにしないよう期待が高まっている。

今日子


   

PAGE TOP
HOMEウンブリア便り森の書斎からショッピング店舗案内SITEMAPお問い合わせ
Copyright (C) 2004 Buon'Italia Co., Ltd. All Rights Reserved.