1月に買った例の豚の、グワンチャーレという頬の肉のベーコンができあがった。グワンチャーレは脂身が多く、この辺りの人は薄く切って生でパンと一緒に食べる。
バターのかわりと言ったところか、パンに脂肪分が一緒になってとろけるようだ。脂が脂っぽくしつこくないので、生でも普通に食べられる。
他に有名なトマトとベーコンと玉ねぎのパスタ、アマトリチャーナは、以前書いたがアマトリーチェというアブルッツォの小さな街のオリジナルで、そこの人はアマトリチャーナに使うベーコンは必ずグワンチャーレで、と言う。
オリーブオイルの代わりに豚のラードで玉ねぎを炒め、グワンチャーレを角切りにしてじっくり弱火で炒める。まさに豚のおいしい脂肪のパスタだ。
こういったカルネ・セッカと呼ばれる肉を干したものは、必ず12月、1月の寒い時期に豚を殺して作る。頬肉から首の肉、腹の肉、もも肉など、ほとんど干し肉に使い、ソーセージも作り、焼いて食べる部分はロースと三枚肉以外あまり残らないものだ。
反対に夏に豚を殺す場合は干し肉にはしないで、すべて焼いて食べることにする。暑い時期には干しても腐ってしまうからだ。
うちと同じ豚を半分にわけたもうひとつの家族は、1月からもう全部肉を食べてしまったらしく、また昨日もう1頭解体していた。たしかに人数は我が家より多いが、それにしてもすごい速いペースで驚いてしまう。
6月には腹の肉で作ったいわゆるベーコンもできるので、とても楽しみだ。これでカルボナーラを作ると最高においしいのだ。
今日子 |