今日はヴァレンタイン・デイだ。イタリアの各街にある聖人の1人サン・ヴァレンティーノは、あまり知られていないが、ここウンブリアの街テルニにある。テルニは第2次世界大戦でほとんど壊されてしまい、昔の古い街並みはあまり残っていない。攻撃されたのはこの街が鉄工場の多い街だからだ。
サン・ヴァレンティーノの歴史は1300年代さかのぼる。北ヨーロッパでは2月14日は渡り鳥たちが南から帰ってくる日とされていた。その後1800年代に、北ヨーロッパで捕鯨に行く人々が、渡り鳥たちが帰る日と同じ2月14日に、鯨売買が競争にならないよう、みんなで一緒に帰る日にしようと決めた。何ヶ月も故郷を離れて旅をする男達は、この日やっと愛する妻や恋人に会えるので、貝に細工をしたきれいなお土産をプレゼントしていた。
聖人ヴァレンティーノは実はすごい厳格で禁欲を重んじる聖人だったそうで、まったく今のヴァレンタイン・デイとは関係のない人だった。そこを、たまたま2月14日の聖人ということ、テルニがチョコレートで有名なペルージャの街の近くということを利用して、この日に愛する人にチョコレートをプレゼントするよう話をこじつけたというわけだ。
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