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マルゲリータ
2004年2月6日(金) 

暖炉で作った特製炭火釜で焼く
暖炉で作った特製炭火釜で焼く
この間ローマのピザ屋で食べたおいしいマルゲリータがどうしても食べたくなった。

マルゲリータは何種類もあるピザの中でも最もオーソドックスで最もむずかしいピザだと思う。トマトソース、モッツァレッラ、生地、どれも材料は単純でも、例えばモッツァレッラにはいろいろなものがあり、おいしいものは切ると中からじゅわっと牛乳がでてくる。安いものはカチカチで紙粘土のような質だ。

水分の多いモッツァレッラを使うと、家庭のオーブンで焼いた場合、生地にまで水分が移って焼ける前にベチャベチャになってしまう。だからといってカチカチのを使うとゴムのように伸びておいしくない。

釜で焼くピザは温度が600から800度近くなるので、モッツァレッラから水分がでる前にすぐに生地が焼けてしまい、生地の下側がパリッとしてチーズとソースの生地の表面がしっとりとするのである。余計な水分は熱でとんでしまうのも大きい。

トマトソースも水っぽいトマト、すっぱいトマト、香りのすくないトマト、といろいろある。これをピザの生地に合うように、水分のすくないソースを作ることが大事だ。そしてモッツァレッラは味がボケてしまいがちなので、混じった時の塩加減がどうなるかも考えてソースを作らなければならない。

生地も小麦粉とイーストと水、塩、オリーブオイルだけだが暑い日、寒い日、乾燥している日、湿気の多い日でずいぶん変わってくる。

これらをすべてクリアしたとして、それでも家庭用オーブンではせいぜい250度程度までしか温度があがらない。今まで作っていても、温度のせいで「これはピザの生地ではなくパンだよねえ・・・」とつぶやいてしまうものだった。決して生地の作り方や材料が違うわけではなく、「温度」がダメなのだ。

薪のオーブンも田舎では売っている。家庭用で暖房の代わりにもなるようなものまである。しかしうちにはない。そこで考えたのが、暖炉で焼くピザだ。

フォカッチャなら生地をアルミにくるんで炭の中で焼いたりするが、マルゲリータはくるんで焼けない。それに下は焼けても上はどうなるか、灰が落ちてきやしないかいろいろ問題はあるが、とりあえずやってみた。鉄製のピザ用の台にピザをのせて炭を大量に燃やし、大きめの薪を1本奥におく。前にいるだけで顔が焼けそうなほど熱い。皮の手袋をしないとやけどする。

うすく伸ばした生地がどんどん焼けてくる(生地は麺棒でのばしてはいけない、生地が傷んで均一になりすぎ、まな板のようになってしまう)。上のチーズもものすごい熱さでどんどん溶けてくる。炭の状態を注意してカスがとばないようにしていたので、ピザの上に落ちることなくすばらしいできばえだ。

食べてみて大喜び。これこそピザ屋のピザだ!バリッとしていて柔らかさもある。水分がでても、しっかり焼けた生地を台無しにしていない。トロリとバリッとおいしい。たぶんナポリ風の厚い生地だとこの方法でも火を通しにくくてむずかしいだろうが、とりあえずこれで大満足だった。

今日子


   

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