1月のはじめに作ったサルシッチャ(ソーセージ)は、最初の2週間は寒くて風通しのいい場所に干しておく。そしてその都度いる分だけ焼いて食べる。まるで漫画でたくさんソーセージがぶらさがっている肉屋のようだ。
2週間ほどするとだんだん肉が乾いて干し肉のような状態になる。塩分が強いので腐らない(じっさいそのまま食べるとかなり塩っ辛い)。程よい具合に乾いたら、今度はオイルにつけて保存する。こうすると何ヶ月もおいしく食べられる。時期を過ぎるとカビも生えてくるし、肉が乾きすぎてしまうのだ。
このオイル漬けのサルシッチャは焼かないで食べる。生のまま薄く切ってサラミのように食べるのだが、これがまたおいしい。サラミとはまた違う、オイル漬けのしっとりと生のような柔らかさで、しかも生臭くない、肉の熟成された深い味わいがあるのだ。
これはおつまみには最高だし、前菜としてだしてもよい。今夜は暖炉の炭でフォカッチャを焼いて、中に挟んで食べてみた。バリッと焼けたフォカッチャに、中のオイル漬けサルシッチャがとてもよく合う。夕食でなくて、子供のおやつにもとても喜ばれるなと思った。田舎に来てこういった自家製の食べ物が家にいつでもあるというのが、金持ちとは違う、裕福な気分になるのがうれしい。しめしめと思ってしまう。
今日子 |