この頃よく栗の粉はどうやって使うのか、と日本の友人にきかれる。
イタリアでは栗の粉は主にカスタニャッチョというお菓子を焼くのに使う。他にクレープなどにも使うが、もしかしたらフランスなどではいろいろと使われるのかもしれない。
このカスタニャッチョというお菓子は、栗の粉という華やかなおいしそうなニュアンスからはちょっとはずれた地味なお菓子だ。栗の粉500gにオリーブオイルをカップ一杯、水、牛乳少々(入れなくてもよい)をかなりやわらかくなるまで入れてのばす。
砂糖少々(好みで)と干しブドウ、松の実、クルミ、あればオレンジピールを入れる。あとは1cmの厚さになるようてっぱんに流し入れ、上にローズマリーとオイルをかけてオーブンで1時間中火で焼く。
実は売っているのを食べておいしいと思ったことはないが、自分で材料を厳選して作ってみたらおいしかった。売っているのはどうもオリーブオイルがよくないように思う。油臭いのだ。日本人好みのバターと生クリームと卵のたっぷり入ったケーキとは違う、素朴で、干しブドウとオレンジピールと栗の甘味がほんのりとするお菓子だ。
まあイタリアのお菓子はだいたいこういった見た目もあまりよくない、地味なお菓子が多いが、健康にもよいし、アレルギーの子供でも食べられるのでお勧めだと思う。
今日子 |