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ウンブリア便り 〜 Kyoko's Diary
Kyoko's Diary
 
2004年1月11日(日) 

生ハム用とベーコン用
生ハム用とベーコン用
12月から1ヶ月、1年ぶりに日本に帰国した。やはり日本はホッとして、うれしかった。イタリアに長く住めば住むほど日本が懐かしくなる。

イタリアに帰ってきた翌日、予約しておいた豚半頭の解体がはじまった。時差ぼけでぼんやりしていると、一緒にやっている農家のおばちゃんが横でテキパキと豚を切り刻んでいく。ここは生ハムの部分、ここはベーコン、ここは煮込み用と、どんどん肉屋で売っている肉の形になっていく。

豚を丸ごと見てもよくわからないが、なるほど、こうなっていたのかと感心する。豚は羊と違って全く匂いがしない。はじめてみた時は気持ち悪くなったが、あまりにきれいな肉で、今ではきちんと食べ物に見えてくるので不思議だ。

窓を開けて寒くしてあるが、暖炉の火が横でボンボンと燃えている。お昼になると、三枚肉を薄めに切って暖炉の炭でこんがり焼く。塩をパッパとふっただけのものを、パンにのせてかぶりつく。・・・、なんておいしいのだろう!

余分な脂肪が落ちてちっとも脂っこくない。とにかく脂がおいしい。肉の味が他と全然違う!前にも書いたけれど、この辺の豚はどんぐりを食べて育つので、なんとも言えないすばらしい味がする。本当に大げさではなく、こんなに肉がおいしいと思ったことはなかった。

イタリアの肉料理はシンプルで、ソースを使わない、オリーブオイルと香草でオーブンか暖炉で焼いたものが多い。日本のイタリアレストランではそのままではだせないと、いろいろと手を加えることが多い。しかしこれだけおいしい肉には塩だけで何もいらないのだ。

全部切ってしまうと、骨についた肉をこそげ落として、サルシッチャ(ソーセージ)用の肉をミンチにする。内臓だけで作るソーセージもある。

皮の脂肪をきれいに切りとって、捨てないで豆と一緒に煮込む。ゼラチン質でおいしいのだ。しっぽも同じように煮こんで食べる。耳やその他の部分も煮こんで一塊にし、塩、コショウ、オレンジピールなどを入れて冷やし固めると、コッパという、ゼラチン質のものができる。

脳みそも足もすべて食べてしまい捨てるところはない(私は脳みそなどはいらない、と言うと笑われるのだが)。腹の脂はラードにする。小さくきってゆっくり炒めると脂が溶けだして、冷えるときれいな白いラードになる。バターのかわりにお菓子を焼くのに使うと香ばしい。

本当に豚1頭丸ごと料理にできるのはヨーロッパの文化なのだなあと思った。その日に食べないものは冷凍してしまうが、味はほとんどかわらない。この部分は角煮にしようとか、この部分はカレー用にとか、どんどん頭に食べたいものが浮かぶ。しばらくこの豚肉が食べられると思うとニンマリしてしまう。

今日子


   

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